牛の2大「幻の部位」をご存知ですか?
「今日は親戚一同集まるから、1キロちょうだい」と言われても、ご用意できません。
「幻の部位をほしいんだけど、明日までに用意できる?」と訊かれても、幻の部位なので保証できません。
買いたいというお客様がいらっしゃるのに、なかなかご用意ができない。
その幻の部位の正体とは、、、
2大「幻の部位」
以前、柔らかいヒレの中でも、さらに柔らかい部位「シャトーブリアン」をご紹介しました。
これも幻の部位と言われていますが、2大幻の部位ではありません。
もっと希少です。
スーパーで見たことはありません。レストランでも食べたことはありません。お肉屋さんでも陳列されていません。
その幻の部位の正体とは、、、
幻の部位①「ネクタイ」
ランプ(腰からお尻、ももにかけての部位)に付随した、薄く平たい赤身肉です。
約700㎏の一頭の牛からわずか300gしかとれません。(取れるお肉の約0.1%)
300gは、お米2合分です。
ネクタイという部位は、牛の食道にあたる部位もネクタイと呼ばれますが、そちらではありません。
残念ながら、今回はご用意できませんでした。
幻の部位②「センボンスジ」
股関節にある部位です。無数に筋が入っているので、センボンスジと呼ばれます。
こちらも、約700㎏の一頭の牛からわずか300gしか取れません。
なんと今回、このセンボンスジをご用意できました。
スジだから、食べにくい?
そう思われる方も多いのですが、すごく柔らかいんです。
お肉の食感に革命をもたらす部位です。
肉屋の店主おススメの食べ方は、シチューです。
お肉の仕込み方さえつかめば、あとはいつも通りの作り方です。
みなさんに「うまい!」と唸っていただきましょう!
センボンスジを使ったシチューの作り方
材料(4人前)
- センボンスジ(300g)
- ニンジン(中1本)
- たまねぎ(1個)
- ブロッコリー(1/2個)
- シチューの素(1/2箱)
シチューの作り方① ~センボンスジの下ごしらえ編~
肉の下ごしらえで、味は左右されます。
美味しいシチュー作りは、肉の下ごしらえにあるといっても過言ではありません。
①センボンスジをひと口大に切る
②肉のうまみをとじ込めるために表面に焼きを入れる(鍋使用、弱火でじっくり)
③そのまま水を加えて、1時間から2時間じっくり煮込む
シチューの作り方② ~具材を総動員編~
①たまねぎはくし切り、ニンジン・ブロッコリーはひと口大に切る。
②フライパンにサラダ油を熱し、たまねぎ・ニンジンを軽く炒める。ブロッコリーは下茹でします。
③炒めた野菜を、センボンスジを煮込んでいる鍋に投入。ニンジンに串が通るまで煮込みます。
④下茹でしたブロッコリーを入れて、再び煮込む。
⑤いったん火を止めて、シチューの素を溶かしながら入れ、再びとろみがでるまで煮込みます。
こちらが完成したセンボンスジを使った特製シチューです!
センボンスジ、けっこうインパクトありますね。
でも驚くのは大きさではなく、食感です!
ツルッと弾力があって、ジューシーさもあって、スジ肉なのに嚙みきれるんです。
イメージとしては、マンガに出てくるような骨付き肉でしょうか。
こんな食感の肉はないだろうと思いますが、まさにこのイメージです。
超厚切り牛タンといったところでしょうか。でも、牛タンよりも柔らかくて噛みきれます。
シチューにもセンボンスジの旨味が溶け込んでいます。ついお代わりしてしまいました。
感動すること間違いなしです!
まとめ:牛肉への探求心のある方は、是非一度ご賞味ください
1頭の牛からわずか300gしか取れない幻の部位。
それらは入手困難なだけでなく、
カルビやロースなどの部位ではとうてい体験できない、非常識な食感をも兼ね備えているのです。
ご近所のお肉屋さんの常連になると買えるかもしれませんよ。